シェフ直伝講習会

小嶋ルミ先生の講習会レポート(レシピ付き)

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今回は、イベントにご参加いただいたcottaオフィシャルパートナーであるあいりおーさんに報告ブログを寄稿していただきました。ルミ先生直伝絶品レシピのポイントがたくさん載っているので、ぜひチェックしてくださいね!

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先日、オーブン・ミトンの小嶋ルミ先生の講習会に参加させていただきました。

ルミ先生といえば「おいしい!生地」という本をご覧になった方がたくさんいらっしゃるかと思います。そんな私もルミ先生信者(笑)この日を迎えるまで楽しみとワクワクでどうしても東京に着けない夢を見るほど毎日この日が気になって気になって。

無事に参加することができたルミ先生のレポートを私がさせていただきます。

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講習会が始まるとまずはゴムベラの使い方を教えてくださいました。

皆さんはゴムベラをどのような力加減で持っていますか?なんと私近くに座っていたためラッキーなことにルミ先生の横でゴムベラをいつも通り動かしてみるなんてチャンスがめぐってきました。何も考えずにゴムベラを動かすとかかる圧力がバラバラ(笑)

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300gの力加減とはボウルをなぞると1〜2㎝の筋がかけるくらいだそうです。実際に300gというのはかなりしっかりとゴムベラを持って作業する力加減だということがわかりました。実際にスケールの上でゴムベラを動かしてみるといつもの自分の力加減がわかるそうですよ。

それと、ボウルにヘラが当たっている状態で作業すること。ボウルの中でヘラがボウルに当たることなく軽く動いているだけでは生地はきちんと混ざり合いません。

そんなボウルとゴムベラの動かし方からスタートした講習会のはじめはアイスボックスクッキーから。

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バターを使うお菓子はよく室温に戻してからなんて聞きますが、その戻し方も分厚いまま100g戻すのと厚みを均一に整えてから戻すのではバターの柔らかさに差が出てしまうそうです。450gのバターなら9カットするくらいの厚みで作業されているそうです。横着して分厚いままではダメですよ(笑)外側と内側では固さが違います。バターは21〜22度くらいになってから使います。

また先生はこだわって発酵バターを使われています。香りが断然違うそうです。美味しいお菓子はやはり素材も美味しいということですね。

ルミ先生のクッキーは粉の半分以上のバターが配合されています。先生のレシピでは75%のバターが入る生地が美味しいとおっしゃっていました。

バターと細目グラニュー糖を合わせたらハンドミキサーで空気を含ませるように白っぽく混ぜます。この時バターケーキほどは混ぜる必要はないけれど空気を含ませてきめ細かな生地にするそうです。また卵黄と全卵の両方が使われていました。その理由は卵黄には生地を口に入れた時の解け感、全卵は生地のつながりを持たせるそれぞれの良さを出すために全卵だけでなく卵黄も入れてあるそうです。

粉はあらかじめふるってあるのはもちろん、粉とバターを合わせる際もかならずふるいながら入れる方が早く均一に混ざるそうです。ここからクッキー混ぜと呼ばれる技法の登場。

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粉を入れたらボウルの向こう側から手前に向かって一列ずつヘラの面で一定の力加減でボウルの底に生地を残さないように拾い上げるような気持ちで合わせていきます。この時生地を上から押しつぶすようなことはしません。

まとまってきたら台に取り出し「フレゼ」という生地を均質にし、キメを整える作業がありました。

「フレゼ」私は初めて知ったのですが、これがとても大切な作業です。生地を台に取り出し、カードを台から3ミリほど浮かせ両手で軽く持ったカードを向こう側から手前に引いていきます。カードはカーブしている方が生地に触れています。こうして作った生地は驚くほどふんわりしていてそのままで美味しそうです。

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この段階で三等分にして3つのフレイバーを混ぜていきます。一つ目はくるみ、二つ目はココナッツとそば茶、3つ目はレモンの皮。それぞれを混ぜた生地を成型用のロール紙で形作るのですが、成型する時点で太さが均一になるように細いところには太いところの生地を足して整えます。成型前にこうやって太さを整えて手前からゆっくり丁寧に巻き、形を整え冷凍庫で冷やします。

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冷やしている間に次のお菓子「カカオケーキ」に移ります。

カカオケーキはヘーゼルナッツやアーモンドパウダー類が入り、ココアをたっぷりと使ったケーキなのですが、太白ごま油を使い、別立て製法でメレンゲを入れることで見た目以上に軽い口当たりのケーキです。

最初にボウルに卵黄とはちみつを入れて混ぜ、次にタンブルタンと呼ばれる粉等とアーモンドプードルを混ぜたものを白くもったりとするまで混ぜます。そこへ太白ごま油を2〜3回に分けて必ず乳化させながら混ぜます。一度に入れてしまうと分離してしまいます。

次はメレンゲの登場。メレンゲは使う前に冷凍庫に入れて周りがシャリシャリする0度に近い少なくとも4度以下から泡立て始め出来上がりも20度以下に抑えることでメレンゲが分離しにくいそうです。ここでもボウルにハンドミキサーの羽がしっかり当たりボウルの中の卵白がムラなく泡立つようにします。いつでもボウルとヘラやホイッパーは触れていて全体をしっかりと混ぜる意識をします。

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ハンドミキサーの羽にしっかりとしたメレンゲがまとわりつくような泡立て加減です。卵白に対してややグラニュー糖が少ない配合なのでややなめらかではないメレンゲですが、このカカオケーキはそれで大丈夫だそうです。

卵黄とはちみつと粉類を混ぜた生地にしっかりと泡立てた卵白をまず1/3を広げて入れて混ぜることで混ざりやすくなるそうです。ついボトッといれて広げることなく混ぜ始めてしまいますがちょっとしたコツですね。

馴染んだら粉類の1/2を混ぜ、20回ほどしっかりとまぜ、メレンゲの1/3を入れて混ぜ、残りの粉類を入れて混ぜたら最後のメレンゲを入れて40回ほどムラなく馴染むまで混ぜます。この時の泡の潰し加減が難しいとおっしゃっていました。泡が残りすぎていると膨らんだ後しぼむ生地になるし、混ぜ過ぎも良くない。これは私たちも作りながら覚えるしかないですね。あとは180度のオーブンで25〜30分ほど焼きます。

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そうこうしていると先ほど冷凍して冷やしたクッキーが焼いてもいいころに。

冷凍庫から出したクッキーはブラウンシュガーをたっぷりつけて、厚みを13ミリくらいにカットしていきます。170度のオーブンで17分〜20分表面が薄っすら、底には焼き色がちゃんとつき、中には焼き色が着かない絶妙な焼き加減で焼き上げます。中まで焼き色がついてしまうと焼き過ぎでバターの風味が飛んでしまいます。焼き色がついたものから取り出します。

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このようにして焼いたクッキーは口の中ではかなく解けバターの香りが口いっぱいに広がり消えていく。こんな口どけのクッキーに感激しました。もうこれは絶対に作らねば!

最後はシフォンケーキ。

一般的なチョコシフォンケーキに比べるとココアが17センチのシフォンケーキ型なのに26gも入るんです!なのに卵白はそれほど入っていません。そしてベーキングパウダーはアイコクのものを使われているそう。ベーキングパウダーはケーキを膨らませるだけでなく、それを保持する力があるので卵だけでも膨らむけど口に入れた時の食感が違うのでベーキングは入れているそうです。

先生のこだわりのココアはカカオバリー、消泡性が少ないのだそう。それに加えつぶれないメレンゲ作りの極意は先ほどのカカオケーキと同じくよく冷やした卵白、メレンゲを安定させるレモン汁。先生はやっぱり新鮮な卵が美味しいので割った新鮮な卵の卵白を冷凍庫に入れて周りがシャリシャリとする程度に冷やしたものを使うそうです。そしてメレンゲを作り始めたら絶対に手を止めない。止めた途端に分離が始まりますよと。

卵黄と細目グラニュー糖を入れたらあまり混ぜないそうです。それは卵の風味をなくしてしまうから。グラニュー糖と卵黄がすり混ざるくらいで大丈夫。そこへ80度以上のお湯と太白ごま油を入れ混ぜ合わせます。そこへ今回何度も粉類はふるいながら入れてくださいとおっしゃっていたように再度ふるいながら入れ、シフォン混ぜという先生の混ぜ方で入れます。左手でボウルを回し、ヘラはカーブしている方が上になる向きでヘラの面を使って一定の速度で丁寧に粉と合わせていきます。

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その生地としっかりと泡立てたメレンゲは潰れることなく私がこんなにたくさん入るココアから想像していたゆるゆるの生地になることなくもったりと空気感のあるふわふわの生地でした。それをカードを使ってシフォン型に丁寧にいれていきます。ボウルから流れる生地ではないくらい空気感のある生地でした。生地が型に入ったら型を台に押し付けながら直径15センチの円を描くようにクルクルと型を回して表面を平らにならして焼き上げます。今回私が今まで知っていたメレンゲの固さとは違いかなりしっかりとしたメレンゲで先生のこのレシピにあわせたものだそうです。それを焼き上げます。

シフォンの焼き上げの間に特別にみかんジャムも教えて頂きました。美味しいみかんを先生自ら準備してくださってみかんとグラニュー糖とみかんの皮、レモン汁とシンプルな材料で作るとっても美味しいみかんジャム。薄皮と果肉をジューサーでピューレにして使うのですがこの薄皮もとろみになるので大事だそう。このみかんはいいみかんだから薄皮が薄くて甘いわ♪なんてお茶目な会話がお菓子作りのところどころに出てくる先生のお話は会場ににこやかな笑いが終始ありました。ジャムを作りつつ、カカオケーキの仕上げをしたりで先生は大忙し。

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そうこうしているとシフォンケーキが焼きあがり、みんなが知りたいであろう型出しはあらかじめ焼いてくださったシフォンケーキで見せてくださいました。先生はシフォンナイフではなく、パレットナイフを使ってポイントを説明してくださいました。ナイフが型の底に垂直に当たるのを確認したら型にナイフのエッジを沿わせて一周させると綺麗に型からシフォンケーキが出てきましまた。このナイフが型の底から少しでも浮いて底についていない状態で外そうものならケーキを傷つけてしまいますよと。終始みなさん写真を撮ったりメモを取ったりと真剣な表情で受講されていました。

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カカオケーキにフランボワーズジャムをサンドして、サントノーレで美しいデコレーション技を見せてくださったり、シフォンケーキに生クリームとイチゴのかわいいデコレーションを見せてくださったり。最初から最後まで一つも聞きもらせないとっても参考になるお話ばかりでした。

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最後はみなさんの質問タイムとお待ちかねの試食会。

もうびっくりするくらい美味しいお菓子に感動でした。クッキーは口の中に入れるとホロっと解けて消えて無くなるような軽やかさ。カカオケーキは見た感じはどっしり重ためかと思いきや、太白ごま油を使ってメレンゲが入る生地だから、軽やかな口当たりとフランボワーズジャムとカカオの味わいが調和した絶妙な味わい。ダブルチョコシフォンはあんなにココアが配合されているのに、軽くふわっとしていてペロリと食べてしまいました。クーベルチュールを刻んだチョコチップの方が製菓用のチョコチップとは違ったさらに上品な味わいでした。

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この講習会を受けて道具の大切さや道具の扱い方、生地作りいろんなことに気をつけながら今後のお菓子作りライフを満喫したいと思います。

本やネットではわからない五感で体感できるそんな講習会でした。

今回デモンストレーションしていただいたレシピはこちらです!

 

 

 

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