シェフ直伝講習会 その他

和泉シェフの講習会レポート(レシピ付き)

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今回は、イベントにご参加いただいたcottaのプレミアムメンバーであるぶぅちゃんさんに報告ブログを寄稿頂きました。

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先日、cottaさん主催で開催される、「アステリスク」の和泉シェフの講習会に行ってきました。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、和泉シェフってスゴい方です。製菓のコンクールで数々のメダルを受賞されているほどの方。それほどの方の講習会に参加できるので、とっても楽しみしていました。前日嬉しすぎて寝れないかと思ったぐらいです(笑)

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今回教えて頂いたのはケイク・スカーレット、アブリコ・ジャスマン、ふわふわシフォンの3種類。

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まずはふわふわシフォンからスタート。

シフォンケーキってチャレンジして作ったことがある方も多いはず。

さえあれば、作りやすいですよね。でも案外と失敗しやすいお菓子のひとつではないでしょうか?実はシフォン作り…私は苦手です。

まずは卵黄とグラニュー糖、バニラエキス、塩を混ぜ合わせ、35℃まで温めます。シェフが何℃って言うと皆さん熱心にメモされています。聞き逃すまいという気持ちが伝わってきます。

シェフのお話では、以前は卵黄、牛乳は何℃に温めるとかで教えられたそうですが、今は出来上がり生地の温度を何℃にするために卵黄や牛乳、油の温度をこのぐらいとお話しているそうです。講習会の季節や会場によって温度を微妙に調整するそうです。季節や作り手の作業環境によって、卵黄を何℃に用意したところで出来上がりの生地温度はかわってきます。この最終生地温度が違うと焼きあがりにも影響がでてくるので、そのあたりを作られる時に考慮されると安定したものが焼けますね。シフォンの最終生地温度は15~17℃ぐらいです。

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卵白の泡立てはグラニュー糖の量が卵白に対して少ないので、グラニュー糖と乾燥卵白を混ぜたものを一度に入れたほうがいいメレンゲが作れるそうです。ただし、乾燥卵白は溶けが悪いので、最初の1分ぐらいは低速で混ぜると溶けやすいです。

メレンゲと卵黄生地をリズミカルに混ぜてる姿に注目していると、あっという間にキレイな生地が出来上がりです。

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シフォンを焼いている間にクリーム類を作られたのですが、クレームパティシェールの作り方が衝撃的でした。

作られたことがある方ならレシピを見て頂くとわかるかもしれませんが、牛乳と一緒に生クリームとバターを温めること。本来なら、生クリームは入りませんがバターの量を少ないので、それを補うために入れてるそうです。何よりもバターを一緒に溶かしてしまうこと。これはより無菌状態のクレームパティシェールを目指しているためです。炊きあがったクレームパティシェールにバターを入れると、雑菌が入る可能性があるので、この可能性をひとつでも減らすための方法だそうです。ここまで徹底された衛生面ですと食べる側としては安心ですね。

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質問タイムが始まると、いくつも手があがり、乾燥卵白は入れた方がいいのかと卵白は凍らせた方がいいのかと色々と参加者の方からの質問が投げかけられますが、ひとつずつ答えられていますが、シェフの手は止まりません。それでも質問が尽きないので、シフォンだけで講習会が終わりそうな勢いでした。簡単そうにみえるシフォンですが、悩めることは皆さん一緒ですね。

お次はケイク・スカーレット。

ケイクを作り始める前に型に敷く紙ついて、熱く語られていました(笑)

修行時代に嫌いな作業のひとつがこの敷き紙をカットするだったそうです。この作業が嫌いすぎて、時間短縮のためにも、お店ではカットマシーンを設備投資して、カットされた敷き紙を用意しているですって。下の写真でシェフが持っている紙が噂の敷き紙です。

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アーモンドプードルと中力粉は一緒にいれてはダメですよ~。必ずアーモンドプードルを先に混ぜてから中力粉類を入れてくださいね。一緒に入れて混ぜるとグルテンがすぐにでますよ。」皆さんもぜひ、守って下さいね。私はレシピを見たときに一緒に入れちゃえって思ってましたが…シェフに見透かされていました。

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出来上がった生地は手早く型入れをして、コンフィチュールフランボワーズを絞り入れ、フォークでマーブル状にします。スタッフ同士の息のあった作業がさすがですね。

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飾り用のフランボワーズアマンドの用意。おうちだとちょっと手間だな~って思いますが、やはりこういう手間がプレゼントした時に喜ばれるんですよね。ケイクの飾りだけではなく、他のデコレーションにも活用できそうです。

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作業も順調に進んでるかとおもいきや、なんとオーブンに入れてたケイクを出し忘れて、オーブンの中が大変なことになってました…でも、さすがシェフ!万が一にも対応できるように差し替えのケイクを用意していました。何事もなかったように作業が続きます。

最後はアブリコ・ジャスマン。以前、コンクールの時に作られたショコラです。今では一部改良されて販売されてます。

モールド(型)の準備方法から教えて頂き、実際にテンパリングをして頂きました。

まずは電子レンジでミルクチョコレートを45℃まで温めます。そのあと台の上でチョコレートの温度を26℃まで下げます。温度の下げ方は下の写真のようにカードでチョコレートを広げて温度を下げます。この時、あまり空気が入らないようにチョコレートを触りすぎないのがコツみたいです。

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温度を下げたチョコレートを30℃まで電子レンジで温めます。レンジだと温度が高くなりやすいので、シェフはドライヤーを活用しているそうです。

これでテンパリング終了です。

「テンパリングが苦手という方が多いけど、ビスキュイやムースはやり直しができないけど、テンパリングは何度もやり直しができるから、またテンパリングをすればいいから。」とシェフはおっしゃられてたので、皆さんもぜひテンパリングを!

あとはモールド(型)に絞り袋にいれたチョコレートを流し、モールドをひっくり返してチョコレートを落とします。モールドをキレイにして、チョコレートを固めます。ちゃんとテンパリングができていれば、自然としっかりと固まります。

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その間にジュレアブリコ、ガナッシュアブリコジャスマンを作り、モールドに流し入れ、24時間休ませ、テンパリングしたチョコレートで蓋をしたら、完成。

最後の仕上げは怒涛の早さで進み、3時間で3種類のデモストレーションが終了しました。

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試食はこちら。

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しっとりしているのですが、存在感を感じるシフォン。それになによりクレームシャンティー・リチ(ライチのクリーム)がいい仕事をしています。ライチの香りが押し出されてるのではなく優しい味なので、食べやすいです。シフォンと2種類のクリーム(クレームシャンティー・リチとクレームパティシェール)、コンフィチュール・フランボワーズがトッピングされているので、色々な食べ方ができるので、女性好みですね。

ケイクのしっとりさにびっくり。断面を見ているだけで、しっとりさは伝わるかと思いますが、ホントにしっとりしています。シェフおススメの中力粉のおかげでしょうか?私も中力粉で作ることがありますが、クラシックは使ったことがないので、ぜひ使ってみたいと思いました。

ショコラはかすかなジャスミンの香りが印象的です。こういうテクニックがプロの技だなと感じました。

講習会で教えて頂いたことを活かしてお菓子作りをしたいという意欲が湧いてきました。まずはシフォンとケイクですかね。テンパリングはバレンタインまでお預けです(笑)

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和泉シェフ、スタッフの皆様、楽しい時間をありがとうございました。

今回デモンストレーションしていただいたレシピはコチラです。

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